十三の朋楽

Categoryはみだし者日記
はみだし者です。

大阪の十三という街に
「味は最高、値段は最低」の
キャッチコピーが看板に輝く
「朋楽」というホルモン焼屋があります。

半世紀前のお姉ちゃんが、
ひとりで切り盛りしている粋な店です。

2年ぶりくらいに暖簾をくぐると、
暇そうにカウンターに座っていた
半世紀前のお姉ちゃん(おばちゃん)が
いつものかぼそい声で

「ひさしぶりやな、東京の人」
「おばちゃん覚えてるの?」
「覚えとるよ、あんさん福の神や」

この日は雨の日。
店内にも雨が点々と降っている。
カウンターの上にもポタポタ、
壁に付いてる物入れからも水がポタポタ、
世間一般的には雨漏りと呼ぶだろう。

「おばちゃん今日は雨だな」
「気にせんといて」

まさにホルモン焼屋を映画のセットで
作ったような店内。
壁のコート掛けに服をかけたら
壁の油と煙で燻して下さい状態、
荷物はしっかり膝の上。

手でグワっと肉を掴み、
無造作の目検討で皿に盛る
見慣れた光景はアトラクション。
肉の量の違いは、多い皿の方がサービスと
ポジティブに行こう。

油で覆われた化石のような換気扇が回る。
と、同時に店内は大雨。

換気扇の振動で、屋根裏に溜まった水が
一気に落ちてきたのはアトラクション。

でも味は最高。
おばちゃんは最高のエンターティナー。

見送りはいつも涙目。

「また来てな、元気でな」
「またきてな・・・またきてな・・・」

十三の朋楽


はみだし者

1 Comments

江崎伸昭  

この店には『何か』があるよね。

2010/06/23 (Wed) 00:15 | EDIT | REPLY |   

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